なんで正義が恐ろしいのか？ [たとえ話]
なんで正義が恐ろしいのか……？
正義って、ふだんはあんまり使わない言葉でしょ。
ふだんはむしろ
（なんかチョット、うっとうしい……）
という感じで
「正義のヒト」
とか
「正義のコトバ」
なんかを受け止めていませんか。
わたしはそれがイイことだし、そういう感覚こそ守っていった
方がいいんだ……って思います。
正義のヒトが現れると、一応みんな大人しく言うことを聞いた
り、内心では
（ケッ！）
とか思っても、そういう態度は露骨にせず、何となく黙ってい
たりするわけです。
で、その感じというものがいつも心の底にあれば、仮に自分
がコトの流れで
「正義のヒト」
をやる破目になったり、結果的に
「正義のコトバ」
を言う破目になったとしても救いがあります。
そうなんですよ。
「正義のヒト」
とか
「正義のコトバ」
に、それまでは
（ケッ）
って思っていた人が、コトの流れとか状況の変化とかで、
今度は自分自身が
「正義のヒト」
になっちゃったり
「正義のコトバ」
を言っちゃったりする……という展開がよくあるんです。
【奥が深い……歯科の世界】
ひと息入れて……。 [ちょっと脱線]
今日はあの、日曜でもあるし、ちょっと脱線します。
（正義は恐ろしい）
っていう話の続きはまた来週に。
実は、脱線したくなったのは昨日の夜、猫を一匹見かけ
たからなんです。
そこは、わたしがよく通る近所の道なんですが、野良猫が
たむろしてる「ネコ・スポット」です。
（でも今夜は相当寒いし、ネコもどっかへ隠れてるかな……）
って思いながら通りかかったら、一匹だけキジトラのネコが
がいました。
建物の蔭から
（トコトコ）
っと歩いてきて、それをすぐ近くにいたおじさんが見つけます。
ネコはそのおじさんを全然警戒していませんでしたから、ふ
だんエサをあげている人なのかも知れません。
が、ビックリしたのは、おじさんがいきなり屈んでネコの背
中に携帯カイロを貼り付けたことです。
そりゃあ寒い冬の晩を過ごすのに、ああいう熱を発するも
のはイイでしょうけど。
しかし……いったん貼っちゃうと、もうちょっとやそっとじゃ
剥がれませんよ、あれ。
見ていたわたしの心配をよそに、おじさんはネコに手を振
って、さっさと向うへ歩いていってしまいました。
（今はいいけど、簡単に剥がれないと分かったら……パニ
ックになるんじゃないか？）
が、その心配は無用でした。
だってそのネコが、あの、背中を丸めて伸びをする、猫独
特のポーズをしたら
（パサッ）
って、あっけなくカイロが落ちちゃったんですから。
（ああ……）
と思って、わたしも歩き出した。
……っていう、それだけの話です。
【 このワザを見よ！】
正義って、恐ろしい。 [たとえ話]
その時代の世の中で
（正しい）
とされていることと、あるひとりの人が
（どうしてもそういう行動をとってしまう）
ということ。
この二つは、もし比べるとしたなら、やっぱり
（どうしてもそうなってしまう）
ということの方が重いのではないでしょうか。
しかし、そういうことを言い出すと、じゃあ
（この世に正義なんてない！）
ってことなのか、とか
（みんながそれぞれ勝手をやって当然）
ってことか……みたいな考え方にも傾いて行きますよね、
当然。
最初の、蛇行運転自転車のたとえ話しに戻せば
（お行儀みたいなことは、もともと考えられないタチ）
で、その気になれば蛇行運転でも三人乗りでも何でもやっ
ちゃう……そういう人も、どうしてもそうなっちゃうんだから
仕方がない。
その一方で、そういう自転車とすれ違うとき、つい下向いち
ゃって注意どころか目も合せられない……そういう人だって
やっぱり
（どうしてもそうなっちゃう）
んだから、仕方がない。
要するに、あっちもこっちも、そうなっちゃうんだから仕方が
ない……ってだけの話なら、そんなの
「わざわざ書いて人に読ませるようなことじゃねーだろっ！」
って怒られるかも知れません。
でも、わたしとしては、ここから
（実は正義って、恐ろしい）
というところへ話を持って行きたいんです。
【 歯のこと、知っておいて損はありません。】
どうやっても、そうなってしまう。 [たとえ話]
そもそもお父さんが好きだから、たとえ臆病なふるまいだ
って、いとおしく感じる……ということは、もちろんあると思
います。
でもわたしはそのときテレビを見ていて、太田さんの話は
（そういうことではないな）
と思いました。
「その形、そのスタイルしかない」
とか
「どうしてもそうなってしまう」
という必然が、むき出しというか、言い訳抜きでとても分か
りやすく目の前に示されると、誰でも結局は深く納得してし
まう……ということがあるんじゃないでしょうか？
太田さんは多分、お父さんが
（家族に臆病なところを見せてしまう……）
などという心配をする余裕すらなく、むき出しに臆病だった
その必然、つまり
（どうやってもそうなってしまうこと）
に感動したんだろう、とわたしは思いました。
【 歯医者さんと技工士さんの関係は……？】
アンチ・ヒーロー？ [たとえ話]
ドライブ中に目の前で起こった殴り合いのケンカ。
クルマの中からそれをじぃーっと見つめているだけだった
太田さんのお父さんは、ケンカにけりがついた後で、やっ
と家族の方を見て
「あー、恐かった。恐かったな」
と言います。で、そんなお父さんを、光さんは
「カッコいいと思った」
と言うんです。
これは番組の中でしゃべっていることですし、また誰もが
太田さんの話に
（笑えるオチ）
を期待していますから、たしかに半分笑い話のようにも聞
こえました。
わたしもそのとき、笑った（少なくともニヤリとした）記憶が
あります。
つまり、ケンカを堂々と仲裁したり、止めさせたりすることの
できる
（エライ父親＝ヒーロー）
に対するアンチ・ヒーローとして自分のお父さんを語ることで、
逆にお父さんへの愛情が際立ってくる……というような。
でも、そこには
（愛するお父さんだから、臆病でもイイ！）
というのとは、ちょっと違う意味があるような気がするんです。
【 まもなく１９号配信です！】
太田さんの、お父さん。 [たとえ話]
爆笑問題の太田光さんが、以前番組の中でおっしゃってい
たこと。
お父さんの運転する車で出かけたとき、前を走っていた車２
台がトラブルとなり、降りてきたドライバー２人が路上でケン
カを始めた……というんですね。
太田さんたちのクルマの中にいたのは、運転するお父さん
と、お母さん、それに光さんの三人です。
もちろん太田さんのお父さんが運転するクルマは止まって
いたのですが、中にいた三人の目の前で、二人の男性が
殴り合いをしている。
たしかまだ中学生くらいだったと言う光さんは
（おやじはどういう反応をするだろう？）
と思いながらお父さんの様子をうかがっていた。
が、お父さんはハンドルを握り締めたまま、ずぅーっと固ま
っていた……というんです。何もしゃべらない。
そのうちケンカの方は、一人がもう一人を殴り倒して立ち
去った。殴り倒された方も、しばらくしてヨロヨロと立ち上が
り、クルマに戻って走り出した。
まあ、それで一応ケリがついた……わけですが、そこまで
きてようやく太田さんのお父さんは、光さんやお母さんの
方を見て
「あー、恐かった。……恐かったな」
って言ったんですって。
【「歯肉炎」と「歯周炎」の違い……分かります？】
「個人の自由」なんかじゃない。 [たとえ話]
正義でも押し付けられるのはイヤ……って言うと、それも
ちょっと身勝手な感じはしますよね。
だけど、押し付けられるのがイヤって言うのは
（個人の自由は侵さないでくれ）
っていう意味じゃないと思います。
少なくとも、わたしはそういう意味じゃないと思っています。
じゃ、どういう意味なんだ……って言うと、たぶん
（その人がそうなってしまう必然）
みたいなもんが一番大事なんだ……っていうことじゃないか
と思うんです。
片一方に「正義」があって、もう一方の「個人の自由」とぶつ
かる……なんてことは全然なくて、ただその人が
（どうしてもそうなっちゃう）
という意味で正義を行なっているのなら、それでいい。
逆に言うと、わたしがどうしてもコワモテにふるまえないのは
それもやぱり
（どうしてもそうなっちゃう）
わけだから、正義のヒトと実は変わらない。
これって、飛んでもない理屈でしょうか？ 実際、書きながら
ちょっとビビりそうな感じもあるんですが。
じゃ、ここでまたひとつの例なんですけど……。
これは、爆笑問題の太田光さんが以前、ご自分のお父さん
についてテレビでおっしゃっていたことです。
（つづく）
【 歯科のワザ……感動ですよ。】
たとえ正義でも。 [たとえ話]
迷惑な蛇行運転自転車に
「そういうことは止めなさい」
って、声に出して注意できるヒトは
（すごいナ）
って思うのに、じゃあ自分がそういうヒトになりたいか……
って言うと
（いやあ……どっちかって言うと、なりたくない）
という気がする。
「ひでえよ、それ」
って思います？
でも、こういうことがあります。
阪神大震災ってあったでしょう？ あのとき、自分の資産を
投げ出して災害からの復興に協力した人がいて、その人は
（立派な人物だ）
というので、講演会に呼ばれるようになったんですって。
そころが、その講演でこの人は
「なぜ、みなさんも私のようにしないんですか！」
って言ったんだそうです。会場が
（しーん）
と静まり帰って……それ以後は、もう講演会に呼ばれなく
なった。
これは、わたしが去年、小林正観という人の本で読んだ話
です。
みなさんはどう思います？ みんな正義には喝采するくせに
（あんたもやれ）
って言われたとたんにそっぽを向くのはズルイ、と思います
か？
もちろんそういう感じ方はあると思います。でも、人に何かを
押し付けるって、正義だろうとなんだろうと良くないんだ……
って気もしませんか？
【読んでみませんか？……『週にいっぺん、歯の話』】
「そういうことは止めなさい」
って、声に出して注意できるヒトは
（すごいナ）
って思うのに、じゃあ自分がそういうヒトになりたいか……
って言うと
（いやあ……どっちかって言うと、なりたくない）
という気がする。
「ひでえよ、それ」
って思います？
でも、こういうことがあります。
阪神大震災ってあったでしょう？ あのとき、自分の資産を
投げ出して災害からの復興に協力した人がいて、その人は
（立派な人物だ）
というので、講演会に呼ばれるようになったんですって。
そころが、その講演でこの人は
「なぜ、みなさんも私のようにしないんですか！」
って言ったんだそうです。会場が
（しーん）
と静まり帰って……それ以後は、もう講演会に呼ばれなく
なった。
これは、わたしが去年、小林正観という人の本で読んだ話
です。
みなさんはどう思います？ みんな正義には喝采するくせに
（あんたもやれ）
って言われたとたんにそっぽを向くのはズルイ、と思います
か？
もちろんそういう感じ方はあると思います。でも、人に何かを
押し付けるって、正義だろうとなんだろうと良くないんだ……
って気もしませんか？
【読んでみませんか？……『週にいっぺん、歯の話』】
屁理屈を承知で。 [たとえ話]
歩道をわざと蛇行運転してくるアブナイ自転車を
（下向いてやりすごしちゃう……）
っていうのと
（ちゃんと注意する）
っていうのを、比べてみましょうか。
わたしなりに……ですけど。
もちろん
（ちゃんと注意をする）
というのは、立派なことだと思います。
実際にそういう注意をしているヒトをみかけたら
（お、すごい）
と、思うでしょうね。間違っても
（よくないなあ、そういうことは……）
なんて思いません。
だけどもし
（ちゃんと注意するヒトを立派だと思うんなら、あなたも立派に
なるよう、努力しなさい）
とかって言われるとしたら
（いや……そういうことは……イイです）
って言っちゃうと思います。
（なに、それ！）
って感じかも知れませんけど、そういう風に思ってしまうこと
には
（ただの居直り）
以上の意味があるような気がしてしょうがありません。
だから、屁理屈と言われるのは承知で、その辺のところ、
もうちょっと説明してみます。
【歯の神経を抜くって、こういうことなんです】
あるような……気がします。 [たとえ話]
（おら、おらァ！）
みたいな感じで向うからやってくる蛇行運転の自転車を
下向いてやり過ごして
（ほっ）
として、ああ良かった……という話。
それがなんで、世の中がどうこうってことと関係あんの？
と思われるでしょうけど、あるような気がするんですよ。ただ
わたしの気が小さいから、蛇行自転車に下向いちゃう……
ってだけの話かも知れませんが、多分十年前だったらそも
そもこういう話自体をわざわざ書いたりしないと思います。
（そんなの、ただオメーの気が小さいだけじゃん！）
って笑われるような話をわざわざわたしが書いているのは、
やっぱりこういうことがこれからの世の中と関係あるような
気がしているからなんです。
たとえば、これ見よがしの蛇行自転車には
「ちゃんと注意をしなくちゃダメだよ」
っていう意見もあるでしょう。
それから
「そんなのは睨みつけてやるんだ」
っていう対応もあると思います。
あとは眉をひそめて
（まあ、イヤねえ！）
っていう、嫌悪感だけ表わすっていうのもあるでしょう。
そういう反応と、下向いて気弱にやり過ごしちゃうっていう
対応とは、どう違うのか？
【 ファイバーコアって、知ってます？】
