サル山の嘘はバレても。 [たとえ話]
野生の状態ではピラミッド型社会を作らないニホンザルを
サル山に閉じ込めて、そこに現れたピラミッド型社会のふ
るまいを
(サルだって同じなんだ)
として、自分たちを納得させてきた日本人。
二つのことが言えるのではないかと思います。
ひとつは、わたしたちは自分たちが潜在的に見たいと思っ
ているものについては、それがどんなに怪しいものであっ
ても、表面の辻褄さえ合えば
(ほら、これが現実だ!)
と言って、ありありと目に見てしまう……ということ。
もうひとつは、競争競争で人々を追い立てて成果を出して
いこうとする社会は、かつてはいまよりもっと圧倒的な力を
(魅力も含めて)持っていたらしい……ということ。
むかしサル山について言われていた
(もっともらしいウソ)
は、いまではすっかり通用しなくなっています。
けれども、サル山以外のことでは、いまのわたしたちもやは
り、ほんとうは現実でないものを
(これが現実なんだ!)
と言って納得してしまっているに違いありません。